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『枯山水』~遂にドイツゲームの正統的なローカライズ化に成功か? [ゲーム雑感]

某朝日新聞やテレビ報道(ZIP他)で取り挙げられる等,日本ボードゲーム界の注目の1作『枯山水』

「ゲームマーケット大坂2015」では,「ニューゲームオーダー」の吉田さんにも出会って,『枯山水』の成功について挨拶ついでにちょっぴりお話した。

吉田さんについては昨年「松江アナログゲームナイトの大社泊まりゲーム会&新年会」にお呼びする方向で動いていたのだが,吉田さんが多忙のため実現しなかった(汗)今年は更に忙しくなってとてもお誘いする所でなくなったのはちょっと残念なところではある・・・。

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『枯山水』の成功は,日本ボードゲーム界にとっては大きな意味があると思うので少し述べたい。
(通常は,お愉快バージョンにリライトするんだけど,時間が無いんだよ!・・・汗)

「ドイツボードゲーム」の魅力と可能性については,20年程前に『カタンの開拓者たち』が日本語版となって紹介された時点で既に認識されており,「ドイツボードゲームブーム」が燎原の火の如く広がる・・・はずだった(大汗)
何故,広がらなかったのかという分析は,専門家によって様々なされているが,爺は大きく3つの要因があると思っている。

(1)「ビジネス成功モデル」を容易(短期)に構築出来なかったこと
(2)日本人の「ボードゲーム観」と「ドイツゲームの概念」の認識のズレに起因する「分かりにくさ」
(3)本家と並ぶローカライズ化された商品の不在

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細かく説明すると面倒だから省略するが,「TCG」を成功例と規定して簡単に当てはめてみる。

(1)「カードショップ」という分かりやすい「ビジネス成功モデル」が提示できた。
(2)日本人は割と「カードゲーム」は受け入れる素地があった。「トランプ」「花札」「ウノ」「モンスターメーカー」(汗)といえば分かるだろうか(?)概念的な障壁が余りなかった・・・。
(3)「M:tg」は強烈だったが,同時期に「モンコレ」「ポケモン」「遊戯王」etc.と十分な質のローカライズ化された作品が現れた。

『枯山水』の持つ意味とは?

(1)ビジネスモデルの明確化に成功
「質の高い物をきちんと作れば,消費者は多少高くても購入する」というのは,どの世界でも通ずる理屈であり,これを具現化するゲームとして評価できる。

(2)日本人に分かりやすいゲームにすることに成功
「より良い日本庭園を造ったプレイヤーが勝ち!」って一般の方にも分かりやすい。

「分かりやすさ(リアリティー)」・「面白さ(非日常性)」・「情報性(価値)」は揮毫(きごう)における名作の条件である。

「日本庭園を造る」というテーマは,日本人にとって「分かりやすさ(リアリティー)」があるし,それでいて非日常世界(面白さ)」があり,日本の究極の精神世界(情報性・価値感)があるということで,名作の条件を満たしているし,オリジナリティーがある。^

(3)ローカライズ化に成功している

プレイしてみると,日本庭園を造るという世界観をドイツゲームのシステムをうまく取り入れて表現しているのが分かる。
その世界をどの様に把握して切り取っているかが問われる所だが,これも作者のセンスが光る。

例えば,「座禅」をすると「徳」が上がる(分かるだろ!)のだが,その徳を2点使うと他のプレイヤーの配置を宣言した「庭園のタイル(砂紋タイルと苔タイル)」を強奪(!)出来るのだ・・・。
何となく分かるが,何となく分からない(笑)・・・このバランスが崩れると,ゲームとしての価値が下がるのだが,爺としては,良い案配だと思うぞ!

今までのボードゲーム界の「積み重ね」が見える良作の出現に拍手を送るよ。

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『枯山水』が日本にドイツゲーを文化として根付かせた作品の1つだと語るには,まだまだ早いように思うけど,そういう可能性が見えたゲームの1つだと爺は思っている。

次は,もう少し一般的なテーマで奇跡の作品が出てくるといいなぁ(汗)

日本らしくて,一般的だが不思議があって価値(情報性?話題性?)のあるゲームって何かしら?
理屈から言って有力なのは,あれ系かそれ系だと思うけどねえ(笑)

空振りで,冬の時代に入る・・・というのはないと思っているけど・・・。

「『枯山水』 日本らしさが 価値(勝ち)となる」(「爺苦総務心の川柳集」より)

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